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2009年08月26日

talk to her

  Natural in Cinema!  第11回 「talk to her」     今泉 真也

3月にコンベンション劇場で行われたバレエ舞台「カルメン」に舞台進行助手として参加しました。
丸2日にわたるリハーサル。
限界に挑むダンサーたちを陰で支えながら、この世界の厳しさとともに、
表現の素晴らしさ、動きの美しさに心奪われるばかりでした。

翌日久しぶりに観たくなり引っ張り出したのが、スペインのペドロ・アルモドバル監督の「トーク・トゥ・ハー」。
なんと言ったらいいのか、容赦なく残酷で、限りなくあたたかく
同時にクールなこの作品を解説することは不可能だという気がします。
もう観ていただくしかありません。

 ・・・泣く人もあるでしょう。
腹を立てる人も、観ていられない方もいるかもしれません。
でも、この世界を肯定していきたいという「願い」がこのお話にあります。
 
監督は男性で女性なので、つまりは人間なので、いつも視点が広く希望があり、僕はそこに共感します。
女と男があって真ん中もあるから世の中は楽しいけれど、その区別自体は重要ではないのです。
監督は淡々と話を進めていきます。

死ぬまで、そして死んだ後も、自分を映す相手を、自身のあるべき姿を、必死で捜し求める私たち。
ベニグノは言います。
「僕は奇蹟を信じる。君にも奇蹟が起きるよ。でも信じないと奇蹟に気づかない」。
そして同僚は彼のことをこう言います。
「もう会いたくない。でも彼は助けを求めてます」。

せつなさが心をしめつけます。
・・・全編ほぼ眠ったままで魅了する「マルティナは海」のレオノール・ワトリングの美しさ。
主人公4名の静かながらも熱い演技。
映画の奇蹟の時間。

 「All about my mother」でも深い共感を呼び起こしたアルモドバルのさらなる追求は続きます。




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 しんや通信
  沖縄タイムスにて出版検討されていた辺野古の水中を中心とした「僕の中の海」は、
  採算が取れないとの判断で断念となりました。
  応援頂いた皆さんにお詫び申し上げます。
  出版不況の折、力不足ではありますが今後も出版先をあたる予定です。
  これは!という所をご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひご紹介ください。




ーえころん通信 2007年5月号よりー


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