2009年08月25日

ひめゆり

  Natural in Cinema!  第10回 「ひめゆり」     

「ひめゆり」特別先行上映に同席することができました。
ゆめゆり学徒の皆さんの証言を積み重ねた記録です。

この日、登場する「おばちゃん」20名余りもスクリーンの前に座って一緒に画面を観ました。
「おばあさん」でない皆の若さが、事実の身近さを伝えます。

柴田昌平監督の「この作品は僕のでなくおばちゃんたちのものです」という誠実な挨拶とともに
舞台上で短く語る出演者の皆さん。
 
「私たちは、何にも戦争というものを知らなかったんですね・・・」という本村つるさんの言葉を
会場は静かに受け止めていました。
映画はどうしても時間制限がありますが、多くの方のきっかけになることを願います。
語ってくれたおばちゃんたちに気持ちを還す想いで、僕も自分の僅かな体験を話してみます。

神奈川の高校から海をするためだけに沖縄に来た僕は、大学で石原昌家先生のゼミに
訳あって入ることになり、予期せぬ沖縄戦戦災実態調査に飛び込みました。

このゼミは平和祈念資料館や阿波根さんたちを手伝いながら、
全島のおじいおばあの戦争体験を聞いて記録していきます。

僕達は糸満米須や北中城が担当でした。
公民館に集まってもらい家を訪ねました。

「子や孫に話してない話」「言葉にならない話」、証言拒否などは当たり前で、
全ての感情の噴出を浴びた日々でした。
若い僕たちは打ちのめされ途方にくれながらも「誰がどこでどのように亡くなったか」聴き続け、
作業は字誌や村誌にまとまりました。

戦争で亡くなったのに歴史に埋もれようとしていた人々の存在の記録。
一家全滅のためどんなにしても詳細が判らず、数字だけの方もいます。
数字にも出来なかった方も。
「そんな調査して何になる?」と幾度も言われました。

・・・この日本の現状の中で「ひめゆり」を観て、僕は、希望という言葉をもう一度胸に
抱えなおしていかねが、と感じています。
4月6日(金)まで桜坂にて上映。


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  しんや通信
    初の監督映画「HEAVEN」(試作)が完成しました。
    13分の小さなビデオ作品で歌は「ひめゆり」にも言葉を寄せているCoccoさん。
    内容は観てのお楽しみ。
    著作権の関係で販売はしていませんがご希望の方にDVDを差し上げています。




ーえころん通信 2007年4月号よりー



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